AWS Summit Tokyo 2015 2日目【Day2 キーノート】
AWS Summit Tokyo 2015の2日目に参加した。
いくつかセミナーに参加したので、まとめ・感想文を書いておく。
※正確な情報・見解は後日公開される(であろう)公式資料や資料作成者のスライド等を参照のこと。
※長くなったので基調講演のまとめを前に置いた。
Day2 キーノート【同時通訳】
セッションスケジュール - AWS Summit Tokyo 2015 - クラウドで、未来を「今」に。- 2015年6月2~3日 グランドプリンスホテル新高輪にて開催
【基調講演まとめ】
1.AWSはモバイル分野・エンタープライズ分野に注力する。
→AWSが言うエンタープライズ分野への注力、というのはIaaS、PaaSレイヤの提供・運用だけでなく、
VDI環境のフルマネージメントサポート*1や、ファイル共有サービスとメールやカレンダーアプリを業務利用できるレベルでの提供、といったDaaS(※Desktop as a Service)、SaaSなどの上位レイヤのサービスも提供・運用することを指す。
2.AWSの各マネージドサービスは「世界で使用されているサービス」という実績がある。
→AWSとしての顧客は全世界・多業種にわたる。その顧客ごとのユースケースに対して、AWSは各マネージドサービスを適用してきた実績がある。
そのため、十分な適用・運用実績を持って顧客にアプローチをかけることが可能となっている。
【基調講演内容】
1.AWSの歴史
[内容]
・2006年からサービス開始。
・サービスの数が飛躍的に増えた。またサポートできるレイヤも増えた。
→2006年:24 2015年:516
・現在、一ヶ月におけるアクティブユーザが100万ユーザに達している。
→ここでいうアクティブユーザというのは、AWSのサービスを実運用しているレベルのユーザの数を指すらしい。
2.AWSのモバイルサービス
[概要]
・AWSはモバイルデベロッパー向けのサービスに注力する。
→モバイルビジネスのモデルに沿うようなサービスを提供する、ということ。
→インフラ*2の抽象化等。本来モバイルデベロッパーが時間をかけるべき箇所はアプリ開発であるので、その他の部分をAWSがサービスとして提供する。
[内容]
・AWS LambdaとAmazon Cognitoが6/3より東京リージョンで使用可能となった。(※途中で発表された。)
・AWSが提供するモバイルサービスについて、4つの観点から紹介していた。
(1)ユーザ管理
・BtoB, BtoC, MtoMなどの認証情報を扱う認証基盤として、「Amazon Cognito」を紹介した。
→「Amazon Cognito」はID認証およびデータ同期、セキュリティに関する機能を提供する認証基盤サービス。
・イベント(データ)駆動が可能となっており、データ同期を契機としてAWS Lambdaのサービスを実行する、といった使い方ができる。また、他デバイスでの認証状況をCognitoにて参照できるため、デバイス毎のアプリの使用状況の把握が可能となる。
[利用事例]
ATARI Inc. : フィットネスアプリの認証基盤
(2)ユーザ行動分析
・「Amazon Mobile Analytics」を紹介した。
→デバイスから送られるデータをAnalyticsで受け取り、Amazon S3(データストレージ)とAmazon Redshift(分析基盤サービス)を使用し、過去分のデータとマージした結果をAnalyticsのコンソールに表示するという使い方ができる。
[利用事例]
(※企業名は失念した) : メッセージのプッシュ基盤と組み合わせ、メッセージにおけるデバイス毎のA-Bテストに使用
(3)SNS Push
・Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) を紹介した。
→メッセージのプッシュ基盤サービス。データ駆動が可能となっており、AWS Lambdaと組み合わせることができる。
[利用事例]
Path Inc. : 1日5億件のメッセージを送信するプッシュ基盤サービスを構築
(4)AWS Lambda
・「AWS Lambda」では、ステートレスなイベント駆動型の処理を作成することができる。
→イベント駆動型のバックエンドサービスを作成することができるため、「インフラの抽象化」が可能となる。
・Javaでの記述に対応予定。
3.Deep Dive DynamoDB
[概要]
AWSの川本さんの発表。Amazon DynamoDB紹介
[内容]
・Amazon DynamoDBはAmazonが社内利用するために作ったNoSQLデータベースシステム。
・AWSのIaaSレイヤのサービスを扱いやすいように作られている。
・DynamoDB内に格納したデータを「DynamoDB Streams」として取り出すことができ、StreamデータをAWS Lambdaに読み込ませ、Redshift、Amazon Machine Learning(機械学習サービス)等に出力することで、サーバレスで目的のデータを取り出すことが可能となっている。
4.デベロッパ(コミュニティ)向けサービス
[概要]
AWS Community Heroes 横田さんのマネージドサービスの利用事例紹介。
[内容]
(1)スシロー
予約用モバイルアプリから待ち時間情報を収集・加工し、Amazon Machine Learningへ連携するという事例。他にも回転寿司の皿にセンサーをつけて、売れ方や廃棄を管理しているらしい。*3
(2)ガリバーインターナショナル
ユーザ認証毎?のイベント駆動でモバイルアプリにメッセージをプッシュ配信するという事例
[まとめ]
・両サービスの特徴としては、全てAWSのマネージドサービスで構築されており、EC2を一切使っていないこと。
→プログラミングが不要となる、とのこと。*4
・開発および運用をスピーディーに実行することができる。
→1ヶ月かかっていた作業が3日で完了するようになった。